02/16の日記

21:06
新入社員・一護の受難
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発信音が響く携帯に、内心「出ないてくれねぇかな……」と思う一護の耳に、上司の声が響いた。

「朽木だ」

常通りの平坦故に冷たく響く声に、一護は気を引き締める。

今から報告する事は、自らのミスなのだ。
ましてや、この上司は綺麗な顔で表情に乏しく、且つ冷たい声。
そして、高圧的(というか寧ろ偉そうな)口調とコミュニケーション能力が欠如しているとしか思えない会話の応酬を考えると、気を引き締めねばやってられないに違いない。

電話越しにも関わらず、何やら張り詰めた空気を感じて無意識に背筋を伸ばし、姿勢を正す。

「何用だ?」
「えっと……すいません、ちょっとこの間の荷物にミスがあって……」
「……この間?」

長々と話してもと、一護が早速本題にはいると、一護の上司である朽木白哉は、少し声音を低くさせた。
それだけで、一護は白哉が眉を顰める姿が浮かび、若干身をかたくさせる。

「……それは、何の荷物だ?」
「え……っと、東仙さんのところの荷も」
「すぐ戻る」

一護が言い直す前に、白哉が口早に言い放ち、彼にしては珍しく乱暴に電話を切った。
驚く一護の耳に「ツーツー」という、通話の終了を告げる音が虚しく響く。

「……何でだろ、すっげぇヤな予感が……」

突如訪れた悪寒に身を震わせた。


続く

ミスを見つけた為修正(2011年7月31日)

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