04/20の日記

21:04
新入社員・一護の受難
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「……あの〜」
意を決し、恐る恐る言葉を漏らす一護に対し、東仙は常と同じく、穏やかな声音で続きを促した。
その優しい響きに後押しされ、一護は一拍置いてから疑問を口にする。
「えっと……さっき響いた音は……?」
若干語尾が震えたものの、何とかきちんと尋ねる事が出来、一護は少しだけ落ち着きを取り戻す。
対し、東仙は至極落ち着き払って、小さく「ああ」と呟いた。
それに込められた僅かな怒気に、一護が無意識に一瞬呼吸を詰まらせる。
電話越しであれど、それを感じ取ったのだろう、東仙は小さく笑ってみせた。

「なに、何て事はないよ。君と話している時の(変態)社長は、とても隙だらけだからね」

「………、え、それ……って……」
あっさりと言い放たれた言葉は即ち、隙だらけだった社長(=藍染)をぼこったも同然ではなかろうか。
ていうか、今この人「変態」とか囁かなかったか?

言葉に詰まる一護を置き去りに、東仙はと言えば「いっそ、世界(黒崎君)の平和の為にも殺った方がいいんだが……。私の法が赦しても、世界の法が許してくれなくてね」などとぼやいている。

何やら多々と問題がある発言があったが、そこは敢えて意識を逸らした。
「あ〜、とりあえず、いったん責任者に報告しますんで、折り返し電話するってのは……」
無理矢理話を進めようと、半分問い掛ける形で言葉を切れば、東仙はすんなりと話にのってくれた。
「解ったよ。そんなに急ぐ必要はないけど、早い方がいいかな」
丁度変態が気ぜっ……席を外しているからね。
笑いながらそう付け足し、東仙は静かに通話を切った。
ツー、となる受話器を片手に握り締め。

今社長を変態って断言したよな、てか気絶って言わなかったか?

通話が切れる直前の東仙の発言に対する疑問やら突っ込みやらを必死で殺す。
暫しその体制のまま佇み、しかし何時までもそうしている訳にもいかず。
一護は、ゆっくりとした所作で受話器を戻し、責任者へと連絡すべく、携帯を手に取った。


〜続く〜
久々の更新。
そして、久々に文字数が余りました!
寧ろ、余るのは初めてです。
短文は、何時も文字数が足りないので……。
ともあれ、漸く更新!
この調子で、早々に短文を完結させねば……。
まぁ、このシリーズが終わっても、また色々ちょくちょく書いていこうと思いますが。
それでは、長々と失礼致しました、これにて第一部は終了です。
まだ続きますが、近々書きます。
以上

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