小さな光の物語

□彼が気付くのは
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「好きです!!」







突然、知らない女に声をかけられた
口を開き言葉を発そうとすれば、勢いよくその場から駆けていく女
「…っち」
なんだ一体あの女は






先ほどのこと等忘れ、教団へ足を進める
ドアを開け、中に入れば聞き覚えのある声が耳に入った



「よろしくお願いします」





そうだ…さっきの女の声にそっくり
まさか。と思いながら奥へと入った俺は頭を抱えることになった













「あの、私…神田さんが好きです。…じゃっ」
俺に気づいた女はまたもや先ほどの言葉を発して俺から逃げようとする
がしかし、今度は逃げることは叶わなかったようだ
コムイが女の服を引っ張っている




「彼女ね、エクソシストで今日からここにいることになったから」
その言葉を聞き、俺は思わず女をまじまじと見てしまった
こんな体が細くてエクソシスト…







「今、こんな体でやれるのかよ。って思ったでしょ」
この発言には不覚にも驚いてしまった
まさか心を読まれるとは



「でもね、私は誰にも負けないの。だから、なめないで」
別になめたわけじゃないが…
しかし、こいつのキャラが分からないな









「私は、神田さんが好きです」
俺がこいつを掴めないのはこの台詞のせいでもあった
さっきから何回この台詞を聞いたのだろう




「何で俺を」
考えてみればこの時、初めてこいつに口を聞いた気がする






「私ね…」
俯いて、言葉を発した女の横にコムイがニヤニヤとしながらたっているのも忘れ、彼女を見つめた










「神田さんに憧れてここに来たの」
顔をあげて、視線と視線がぶつかり思わず剃らしたのは俺の方で、とりあえずコムイを殴り飛ばしたくなった












「…憧れ」
この日の彼女との会話はここで終わり
コムイが女に部屋を案内するからって言って連れってったからだ






何故だか頭からは彼女の顔が離れなかった














彼が気付くのは
(これが恋だと気付くのはもう少し後)





20080824

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