Normal
□They are in love
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なかなか出てこないカカロットが死んだかを確認しにベジータは壁の穴に飛んでいく。
探すが見当たらない。
穴の中は暗く視界が悪かった。
すると突然背後に気を感じ,振り向くとカカロットが気弾を撃っていた。
「くッ…」
ギリギリのところで攻撃を交わすが,気付くとカカロットは上に移動し思いっきり下に叩き付けられる。
崩れた破片に体沈む。
「チッ…あの野郎…」
体を起こそうとするが首を掴まれる。
「王子…試合が始まる前におっしゃってましたよね?前のようなことが出来るかって…。今なら出来ますよ♪」
そう言うとそのままキスをする。すぐに舌が入り込む。
「Σんッ…は…んん…//」
ベジータの体から力が抜けていく。
いつの間にかカカロットの舌は耳へと移動し更に相手を興奮させる。
「ふ…ん…くッ…//」
完全に力が入らなくなり,体が震え始める。
カカロットの舌は首へ伝うとキスをする。
「ん…痛ッ…」
見ると首には赤い痕が残った。
二人ともずっと出てこないことを不審に思ったナッパはマイクを使って叫ぶ。
「ベジータ様〜!!;大丈夫ですか〜!?;」
その声に我に返るベジータ。
「く…貴様!!」
カカロットの腹に膝蹴りをくらわすと,穴から出ていく。
「あ,ベジータ様ー!!良かったご無事で…;」
心配して近寄るナッパを通り過ぎるとベジータは言った。
「あいつでは俺の相手にならん。とりあえず奴に褒美をやれ…」
冷たく言い放つと出ていった。
ナッパはすれ違い様に首の痕を見た。
「ベジータ様??;…あ…あの…。とりあえずカカロットに褒美をやらんとな。」
ナッパはカカロットに大金を渡して,一応表彰式をした。
無事大会は終了した。
その日の夜,ベジータが風呂に入ろうとする所にナッパが来た。
「失礼しますベジータ様。カカロットには褒美をやり,大会は無事に終わりました。」
「…で?だからなんだ…」
報告にきたつもりのナッパだったが,ベジータに軽くあしらわれ顔をあげる。
すると今日昼間に見た痕が目に付く。
「あの…ベジータ様;…大変申し上げにくいのですが…」
ナッパの様子に次第に苛ついてくるベジータは怒鳴る。
「何が言いたいんだ!?早く言えッ!!」
ビクッとしたナッパは思いきって聞いてみた。
「あの…ベ…ベジータ様の…首の傷は…今日の戦いで…出来たもので?;」
意外なことを聞かれベジータは昼間の試合が一気に頭の中に思い出される。
いつ首を狙われたか…
すぐに答えは見つかった。
慌てて近くにあった鏡で見てみる。
こっち系の行為は未だ未経験なベジータにとってこれがどのようなことを表すのかは分からなかったが,ナッパの様子から大体理解した。
「く…//あいつめ…」
顔を真っ赤にさせながら,怒りで体を震わせる。
ナッパはそれを見てやばい状況だと判断し,一礼し急いで出ていった。
「くそ…」
始めは怒っていたベジータだったが次第にその痕が愛しくなってくる。
あのまま続けて欲しかった…
ベジータはカカロットで頭がいっぱいで,胸が傷んだ。
初めての気持ちに混乱していた。
「俺は…どうしたんだ…」
その夜ベジータはカカロットが来ることを願った。
眠れない夜だった。
俺は何がしたいんだ?
自問自答を頭の中で繰り返し,ずっと待った。
しかしカカロットが姿を見せることは無かった。
ある日,この間の大会で勝った者は「強者」とされる為に一人で惑星を破壊しに行くことになった。
カカロットがベジータの部屋に挨拶しに来た。
「失礼します。只今準備が整いましたので,目的の惑星へ行って参ります。」
膝まずくカカロットにベジータは目をやる。
やはり貴様を見ると気持ちがコントロール出来なくなる…
「よし。行ってこい。」
あえて冷たい返事をするベジータ。
「では失礼します。」
そう言うのと同時に瞬間移動を克服しているカカロットはベジータの前に移動し,口をふさぐ。
「ん…ッ…は…//」
突然の出来事に頭がついていかない。
口がやっと離れる。
「貴様…//」
「だから失礼しますと申し上げましたよ?」
ニヤッと笑いながら答える。
幸い近くには部下もいなかったため見られることはなかった。
「行って参ります。」
軽く一礼してベジータに背を向ける。
また…また貴様は去るのか…
この意味は何なんだ…
待ってくれ…
カカロット…
「待て!!!」
気付くとベジータからは自然に声が発せられていた。
カカロットがゆっくりと振り向く。