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□天と地
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さらばだ…
ブルマ…トランクス…
そして…
カカロット…
天と地
「なんてことだ…ベジータまでもやられちまったなんて…」
残念そうに頭を抱え込むのは,ベジータが死ぬギリギリまで真剣勝負をしていた悟空だった。今まで想い続け,競いあってきたライバルが死んだ。
その日,悟空は神の宮殿で寝ることとなった。
静かな夜…
今まで感じたことのない胸の痛みと虚しさ…
「くそっ…」
外を眺めながら,ガンと握りこぶしを打ち付ける。
「何をしている…」
この冷たい口調に声…
悟空は勢いよく振り向いた。
「Σ…!!!…ベ…ベジータ!!!」
目の前の光景が信じられなくて,悟空はうまく言葉を続けることが出来なかった。
「おめぇ…死んだんじゃなかったのか?;;」
気まずそうに悟空は尋ねた。
「あぁ…確かに死んださ。」
その言葉を改めて聞いて悟空の胸はズキッと痛んだ。
「だが今少しの時間だけ閻魔の野郎が時間をくれた…。俺は人を殺しすぎているから,死んだら人の形ではいられなくなるのでな。」
自分のことではないかのようにスラスラと言葉を並べ,苦笑しながら答える。