UnderT
□初恋
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初恋
「あれ?」
間抜けな声を発したのはヤードラット星から無事に帰還した孫悟空だった。
フリーザとの対戦後、パッタリと姿を消したこの男は、何事も無かったかのような笑顔で皆の前に現れた。
「皆変わってねぇなぁ〜♪」
オラの感情を除いては…
岩山に一人立つ男を見ると悟空の胸は高鳴った。
その男はこっちを全く伺っていないようだったが、姿を見た悟空の心は安心感で満たされる。
人造人間の話を聞いた戦士達は早速特訓を開始した。
そんな中一人…
特訓せずに待っている奴がいた。
「よっ♪ベジータ」
「チッ。俺をこんなとこに呼び出して…。なんなんだ貴様は…」
ベジータが呼び出されたのは岩山に囲まれた草原のような所だった。
「オラさぁ…長い間地球を離れてみて思ったんだ…」
「は…?」
予想していた話と大きく異なったベジータは、悟空を見つめながら呆気にとられる。
「オラは分かったんだ。…………足りないってことを…」
ヤードラット星での暮らしなどを含む、今までの過程を話す中、内容に変化が生じた。
「足りない…?貴様は何でも欲しいものは手に入ってるはずだろ…」
自慢なら他の奴に言えというように明らかに怒りのオーラを出すベジータだったが、悟空は冷静に話を続けた。
「違う…違うんだ、ベジータ…」
寂しげな表情を見せる悟空。
そんなじれったい悟空の行動にイライラしてくるベジータは、ついには怒鳴り始めた。
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