賜物部屋2

□甘い果実
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甘い果実


手のひらがベタつき、やたらと触れるものが吸い付くように感じる。
肌に落ちた雫は完熟した果実の雫。

ソファーでこの甘い果実と恋人を貪るように味わう。
既に恋人の衣類は剥き取られ、生まれたままの姿で私の下で官能に打ち震える。
食べごろのその体はすでに何箇所も赤いあざを落としている。

手のひらに握った桃を一口かじる。
白い果肉がちぎり取られ、溢れる雫が私の足の間で組み敷かれた成歩堂の肌を汚した。
かじりかけた桃を成歩堂の口元へと運ぶと小さく、くちゅりと水音を立て一口かじられた。
濡れた唇は赤みと艶を増し、柔らかに私の名を呼んだ。
「みつ、るぎ……もう。」
「なんだろうか?成歩堂?」
「……どっちかにしてくれよ。」
「ム?」
かじりかけた桃をまた、口元へ運び恋人の文句を塞ぐ。

甘い果実は甘美な香り部屋に満たし、次第に互いの冷静さや自制心をかき消す。

果実と同じく赤く熟れた胸の突起を口に含み、舌先で転がす。
「やっ……。」
口に果実を含んだまま突然与えられた刺激に体を震わせた。
「美味しいな……この果実も。」
転がし、噛み付き、ますます硬さを増す胸の突起に、熱情を持った私の下腹部が硬度を増すのがわかる。
成歩堂の体が反り返り、小さく跳ねた。

「ああ、ホントにキミは可愛らしいな。」
改めて思ったことを伝える。
組み敷かれた恋人は頬を染め、小さく「変態検事めっ……」と悪態を付く。
その悪態もこのような状況であれば、何らダメージにもならないばかりか、ますますそのようなことを望まれているのだろうかと感じる。
「どうして、桃を食べただけでこうなるんだよ。」
そもそもそのようなことを問われると、私もはて、と考え込む。
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