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□エルカドル国の大冒険
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 次の日、リィリアとシーゼルにリヤのことを頼み、ディオとディルクはいつも通り学校へと向かった。
 昨日の今日で、まだ何か引っ掛かっているようで、ディオは難しい顔をしていた。
 ディオは珍しく余裕を持って登校しているため、隣りにはディルクがいる。
 ディルクも同じように、いや彼はいつも眉間にシワを寄せているが、今日はいつも以上に眉間にシワが寄っている。
 しばらく歩いていると後ろから、ザズとアイナが走って来た。
「おはよう。ディオ」
 朝から元気なアイナだが、その表情はどこか浮かない物だった。隣りのザズも、いつもはディオに嫌味の一つも言うのだが、今日はそれがない。
「はよ」
「おはよう」
 ディオは小首を傾げながらも、挨拶してくれる彼に挨拶を返す。
 隣りにいたはずのディルクは、いつの間にかディオから離れた場所を歩いていた。
 ディルクは第一王子付きのため、学校では目立つ存在だった。王子の隣りにいることの多い彼は、出来るだけ人前ではディオの横に行かないようにしていた。それは、ディオとディシオスのイメージが重ならないためだ。身分を隠して通っているのに、バレてしまっては元も子もない。



 
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