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□エルカドル国の大冒険
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 国王に呼ばれたフィリアーナは、キノを連れて、王のいる書斎へとやって来た。
 フィリアーナは書斎の扉をそっと叩くと、入室を許可する返事と共に、中にいた侍女によって扉が開かれた。
「失礼します。お呼びでしょうか、お父様?」
「あぁ。お前に大切な話があるんだ」
 その言葉に、フィリアーナはピクリと反応する。
「……話、ですか……?」
 どこか怒りを含んでいるような声に、フィリアーナは不安になる。
 気を利かせた侍女達が、王に一礼をしてから書斎を退出していく。それを見たキノも部屋から出ようとした時、
「キノ。貴女はいなさい」
 侍女の中でもベテランの中年女性が、キノにフィリアーナの側にいるように命じる。
「え?ですが………」
「いいから!貴女は姫様の側にいなさい」
 国王からの退出の指示はないので、部屋から出る必要はない。しかし、気を利かせて指示が出る前に行動するのも大切なことである。
 しかし、ベテランの侍女にそう言われて、キノは扉の近くで控えていることにした。



 
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