main

□white snow
2ページ/18ページ

 この学園に入れば必ず一流企業で、それもかなりの役職に就ける。卒業していった先輩達は皆、誰もが聞いたことあるような大企業に就職している。彼らは日本だけにとどまらず、世界各国でその力を発揮している。
 様々な分野の学科がある宵野宮学園だが、その中でも、現在は音楽関係に力を入れていた。
 校門を抜け、校舎へと進んだ少女は、あまりの広さに呆気にとられていた。
(何よこの無駄に広い敷地は?)
 何千人と通うマンモス校だから、広くて当たり前なのだが、ここは高等部専用の校舎だ。校舎へ着く前の距離がやたらと広い。そこだけで運動場一つ分くらい入るのではないかと思う。
 幼稚舎、初等部、中等部、高等部、大学、大学院はそれぞれ壁で区切られている。門だってそれぞれ違う場所にあるのだ。何千人と言う生徒が一度に校舎へ来るわけでもないのに、このやたらと体力を奪われる広い道は土地の無駄遣いと思えてならない。
 少女・片岡雪乃は新学期早々深い溜め息を吐いた。
 中に入るとこれまたびっくりで。下駄箱だけでどれだけ面積とってんだよ、とついつい叫びたくなる程の広さ。



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ