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□エルカドル国の大冒険
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『泣かないで、姫様。大丈夫だから』
金髪の少年が、まだ幼さの残る笑みを浮かべて、泣きじゃくる幼い少女に告げる。
『約束するよ。姫様は俺が護るよ。だから………』
泣かないで、そう言って幼い少女の頭に一つキスを落とす。
少女は涙を溜めた瞳で、太陽の光りを浴びて輝く少年を、眩しげに見つめた。
『ほんとぉ?』
舌足らずな声音で問う少女に、少年はこくりと頷く。すると少女は泣きやみ、満面の笑みを浮かべた。
少年もまたふわりと微笑んだ。そして、少女の視線に合わせて屈んでいた姿勢からスッと立ち上がる。