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□white snow
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white snow
高校最後のクリスマス。小学校からの付き合いの友人達を集めて、例年通りクリスマスパーティーを行った。もうクリスマスなんて、皆と過ごせないと思っていた。
私が、今もこうして皆といられるのは、あの人のおかげだった。
それは、溯ること二年と八ヵ月程前―――……。
時が過ぎるのは早く。ついこの間まで寒い冬で。一月は行く、二月は逃げる、三月は去ると昔の人は良く言ったもので、別れの冬はあっと言う間に過ぎ去り、季節は出会いの春を迎えようとしていた。
桜の花びらが舞う道を、明らかに真新しい制服に身を包んだ、まだ幼さの残る新入生達が、期待と不安を胸に新たな学び舎へと足を踏み入れた。
そしてここにも一人、同じような心境の少女が、学校の門を潜った。
ここは県内でも一・二を争う名門校、宵野宮(よいのみや)学園。下は幼稚舎から上は大学院まであり、千人以上が通ういわゆるマンモス校だ。