未来の星空
□第L話
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責めるアントニー達を無視し、良守を睨み付ける。
背丈や体格の差があるので、心配になる。
「(おまえもおまえなら、友達も友達だ。
本当に嫌な奴等…)」
言い終わらないうちに良守が蹴り上げ、寸止めする。
「(なっ!!?)」
『(俺のことは何を言おうが、構わない。
けど、俺の大切な人を傷つけるのだけは許さない)』
いつ足を上げたか分からない速さに驚く。
鋭い眼で良守は睨み付ける。
『(俺、キレたくないんだよ。
分かったら、こういうことしないで。
俺は暴力が嫌いなんだよ)』
「(俺は強いんだぞ!)」
『(それは強さじゃなく、暴力だ。
基礎も出来てない奴が何を言ってる)』
「(何だと!)」
良守は向かって来る男子生徒に足を引っ掛け、転ばせる。
『(言っただろ。
基礎が出来てないって。
俺が本気を出せば、敵わないよ?)』
「(覚えてろよ!)」
門が開いたと同時に走って入る男子生徒。
「(良守、強かったんだ)」
『(油断しただけ。
ああいうの、したくないのに)』
不満そうに呟き、良守はため息をつく。