未来の星空

□第L話
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時間になり、良守は着替えて店から出る。


『(行って来ます)』
「(気をつけてな)」
「(スリに注意しろよ!)」
『(はい)』


みんなに声を掛けられながら店から出る。


学校までいつものように走って行く。


走っても学校までの距離なら息が乱れることもない。


「(良守!!?)」
『(あぁ、おはよう。
なに?)』
「(何って、それ!
どうしたんだ!!?)」
『(これ?
やっぱり、目立つ?
ちょっとな…)』


口元の殴られた怪我は目立つようで良守は苦笑いする。


「(‥‥あいつか?
あの野郎っ!)」
「(アントニー!!)」


怒りを露にするアントニーをガブリエルが宥める。


『(アントニー、大丈夫だから)』
「(殴られたんだろ!!?)」
『(俺を毛嫌いしてるみたいだし、騒ぎにしたくないし。
こういうのは好きじゃない。
結局は言い争いや喧嘩になるだけ。
誰かが傷つくのは俺は嫌だから)』
「(だからって、我慢するのか?)」
『(ある程度の我慢は必要だと思うし。
俺なら大丈夫。
ありがとう)』
「(優しすぎる)」
『(考えが甘いってよく言われてた。
でも、これが俺なんだよ)』


良守は苦笑いした。
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