未来の星空

□第L話
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掃除が早く終われば、オーナーにみんなが来るまで教えてもらえる。


「(ちょっと教えてあげよう。
こっちにおいで)」
『(はい!)』


嬉しそうに良守が駆け寄って行く。


「(惜しいな。
でも、最初よりはうまくいった。
最後まで気を抜かないように)」
『(はい)』


飴細工も熱いは熱いが、何とか耐えて形にもなるようになっていた。


『(変な形に…)』
「(まぁ、こんなものだろ)」
『(‥‥食べてもいい?)』
「(構わないよ)」


オーナーは笑い、良守を見た。


『(何ですか?)』
「(いや‥‥本当に好きなんだなって)」
『(当然じゃないですか)』


にっこりと良守は失敗作の飴を食べながら笑う。


「(おはようございます。
良守、なに食ってんだ?)」
『(失敗作の飴)』
「(あぁ、今日も教わったのか)」


良守の掃除が早いので朝に毎日のように教わっていた。


「(ん、大分よくなったみたいだな)」


飴を味見し、良守の頭をなでた。


『(まだ全然ダメ)』
「(焦る必要ないさ。
よく頑張っているよ)」


オーナーの性格なのか、必要以上は店のみんなも怒らない。


それは良守にだけではなく、みんなに対しても。


だからこそ、店のみんなも怒鳴ったり滅多にせず、こういう環境は珍しい。
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