未来の星空
□第A話
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空港―――。
家族が見送りに来ていた。
「良守、体壊さないようにね」
「頑張れよ!」
『父さん、兄貴。
ありがとう』
「…無理するのではないぞ」
今まで黙っていた繁守からの応援の言葉に良守は嬉しそうに笑った。
「良兄っ!!」
『…っと。
利守、泣くなよ。
一生の別れじゃないんだからさ(笑)』
今まで我慢していたのだろう、泣きながら利守が良守に抱きついて来た。
「だっ、て…」
『手紙書くからさ。
利守も手紙書いてくれるか?』
「か、書くよ!」
『ありがとう。
ほら、もう泣くな』
「うん‥‥。
良兄、頑張ってね。
僕、日本で良兄を応援してるから!!」
『ありがとう。
利守、父さんとジジィをよろしくな!』
「任せて!!」
にっこりと利守が笑うと良守は優しく利守の頭をなでた。
それは“兄の顔”だった。