未来の星空
□第A話
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黒須先生がポンッと肩を叩かれて良守は顔を上げた。
「卑怯なんて誰も思ってないよ」
「まぁ、言って欲しかったけどな」
『‥‥ごめん』
「それで、出発はいつなんだ?」
『…今日』
「「今日!!?」」
「留学期間は?」
『‥‥1年。
皆と卒業出来なくてごめんι』
「マジかよ…」
「高等部には戻って来るよな?」
『あぁ、多分な。
どうなるか分からないし。でも、そのつもりだから』
「そっか‥‥」
教室の戸がノックされて開くと修史が入って来た。
「良守、お友達とお別れは出来た?」
『‥‥ぅん』
「もうそろそろ行かないと間に合わないよ。みんなはもう空港に行ってるから。ほら、行こうか」
優しく修史は良守の頭をなでた。
コクンと良守は頷いた。
「「墨村っ!」」
「墨村くん!!」
振り返り、良守は皆の顔を見た。
中には泣いてる生徒もいた。
『黒須先生‥‥今までありがとうございました。お世話になりました!』
「墨村‥‥頑張れよ。応援してるから」
『はい…!』
頭を下げて良守は修史と共に教室を出て空港に向かった。