未来の星空
□第@話
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深夜・烏森―――。
珍しく良守が先に到着していた。
『あら、良守が先にいるなんて‥‥』
『あ、時音…』
どこか緊張した様子だった。
『‥‥今日は満月なんだな。時音、話さないか』
『…いいよ』
いたとしても雑魚ばかりだろうと屋上で星空を眺めながら話をすることにした。
『‥‥時音には好きな人いる?』
『なに、いきなり…。今はまだいないけど‥‥』
真っ直ぐ見つめる瞳から時音は目を反らせなかった。
『ずっと、好きだったんだ。小さい頃から好きだった‥‥』
『えっ…』
『俺は時音が好き。
誰よりも想ってるし、時音を守りたいと思ってる』
『‥‥ダメだよ。
私とあんとの家柄、分かってるでしょ?』
『…時音』
『ダメったら、ダメなの!!』
『‥‥っ‥』
『それに‥‥あんたのことは“男の子”として見れないし』
『――分かった』
良守はそう呟くと時音の前から姿を消した‥‥。
これが2人が交わした最後の会話だった――…