未来の星空
□第A話
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翌日―――。
失恋の痛手を抱えつつも良守は気持ちを切り替え、荷物を手にして学園に向かう。
学園室と職員室にお世話になった教師達に挨拶した。
「墨村、時間は?」
『まだ大丈夫です』
「じゃあ、先に教室に行ってなさい」
『はい』
黒須先生に頭を下げ、良守は教室に向かった。
久々の登校でクラスメイトも笑顔で迎え入れてくれた。
「あっ、墨村!!」
「久しぶりじゃん」
「おまえ、何やってたんだよ〜!」
『ははっ‥ちょっと色々あってさ』
クラスメイトに揉みくちゃにされながらも良守は楽しそうに笑っていた。
だが、その顔はどこか切なそうな寂しそうな顔でもあった。
チャイムが鳴り、皆が席に着いた。
担任の黒須先生が入って来て朝のHRが始まった。
「今日は皆にお知らせがある。墨村、前へ―――」
『‥‥はい』
良守は立って黒須先生の隣に並ぶ。