□ 詩:UTA □

□仲仔な双子
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私の名前は安藤百乃、十三歳。いたってフツーの女の子である。

「あっつぅ〜!」 ここは第二音楽室。クーラーなしで最悪な事に
北校舎と南校舎の間にある風通しの悪い中校舎だ。
うちわを片手にこの暑さに完全にまいってしまってる私がここに居た。
「どーにかなんないわけ?この暑さ!」私がそう吠えていると
「しょうがねーだろ?7月なんだし。そんなにイヤならこの長引いてる梅雨を神様にどーにかしてもらえよ。」 
立花リョウだ。一見小学生に見えなくもない
外見、優等生に見えなくもない顔立ちで、冗談っぽく私をにらんでいた。
「こんな暑さの中に居る私らってどうかしてるんじゃないの?」
リョウの話を無視しつつ、なんとなく部屋を歩き回っていた私。
「そんじゃぁ思いっきり走り回ってみれば?逆にイイカモよ」
は?アンタ脳ミソ空っぽなんじゃないの?とばかりにリョウを見ると
どうよ!俺の素晴らしきアイディアは!みたいなバカらしいアホ顔でこっちをキラキラと見ていた。
「アンタ頭大丈夫?暑さでネジ一本飛んでったんじゃないの?」
と吐き私は音楽室の隅っこの椅子に座っていた。「うるせーほっとけ!」そう言って
リョウは教室から出て行ってしまった。
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