短篇
□Act.1 もし由那が教育係だったら。
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ある日の午後、それは始まった。
由「若様、お勉強の時間ですよ」
由那の言葉に、遊んでいた乱丸は手を止めて振り返る。
乱「あぁ、わかった!剣術しよう!!」
由「いいえ、今日は字の読み書きを習って頂きます」
しかし、今日の予定を言われた瞬間…、みるみる内にテンションが下がっていく御曹司。
乱「……オレ、それ苦手だ…」
由「では、これを機に得意になって下さいね」
由那が絶対に引く気はない事を悟り、次に乱丸はどう逃れようかと考えた。
乱「う゛っ……(あ、そうだ!)
由那は今日も可愛いな!」
由「お褒めに預かり光栄です。さぁ、始めましょうか」
若君、作戦失敗。
乱「…ゆ、由那?……今日は…」
由「それ以上我が儘を申されますと、空様と剣術のお勉強が出来なくなりますよ(笑)?」
尚も食い下がってみるが、乱丸でも理解できた由那の含みのある笑顔に、もう逃れられない事を悟った。
乱「!!!…頑張る……(半泣)」
由「イイ子ですね。若様がやる気を出して頂けると、僕も嬉しいですよ」
――それらを、遠目に見ていた者が数名いる。
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