四天夢2

□ショタコン疑惑浮上中!!W
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「そういえば俺、昨日夢見たんすわ」

「…へ〜」

脈絡もなく、本当に雑談をし始めた財前くんに、わざと気のない返事をする。

「………」

「す、すみません。どんな夢だったんですか」

会話終了作戦失敗。

無言の圧力に耐え切れなくなって、聞き返していた。

あれ?いつの間にこんな立場逆転したんやっけ…?

「俺と先生が、デートしてる夢っスわ」

「でっデートぉお!?」

「声デカい…」

しまった、と口を押さえる。

せっかく治まっていた顔の火照りが復活してしまった。

「先生」

「なに?」

「正夢にしてくれへんのですか?」

「なっ…!?そ、そんなことするわけないでしょ!!」

慌てて、必死で否定する。

そうしないと、なぜか怖かったから。

彼とのデートを、頭に思い描きそうになってしまいそうだったから。

しかしこれは予想の範疇だったみたいで、財前くんはこう切り出した。

「ふ〜ん。ほんなら、こうしましょ。俺がテストで満点取ったら、ご褒美にデートする。どうです?」

「ええ!?」

まさかそうくるとは思わず、廊下に私の声が響いた。

そんな私を見て、してやったりと財前くんは笑った。

「もちろん教科は数学でええですよ」

その言葉に、一瞬きょとんとした。

そして、ある事実を思い出す。

そうしたら、私もニヤリと笑っていた。

滅多に私が強気に出ることがないからか、財前くんは少し驚いた顔をした。

「なめてもらっちゃ困るわ、今回のテスト作成者は私よ。そんな条件でいいの?」

うちの中学では、その学年の担当教科の先生が交代でテストを作成することになっている。

今回は、それは私だった。

基本問題の作成は作成者に任されており、先生によって難易度などがまちまちなのが事実だった。

それを利用して、“難しい問題を作る”ということを暗に匂わせる。

それに気付いたらしく、また財前くんも笑った。

「臨むところっスわ」

かくして、デートを掛けた勝負が始まった。

…他の生徒そっちのけで。




END

長くなりそうだったんで、一旦ここで切ります。
日にち空けないうちに更新したいと思います。
…が、責任は取れません←

しかし、中学の試験ってどんなのだったっけ…

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