立海夢
□雪降る夜に
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「雪も雨も上空では同じ氷の結晶だ
その差は落下中の周囲の気温の差だけ
たったそれだけの違いで、どうしてこんなにも違うのだろうな」
帰り道、降り注ぐ雪に蓮二は言った
わずかに露出した肌に凍えた風が吹く
私もそっと、空を見上げた
「私は雨より雪が好きだな
雪の方が気温は低くて寒いけど
雨にはない優しさと、暖かさを持ってる」
背の高い蓮二を見上げると、蓮二は雪のように笑った
「そうだな」
さぁ、帰ろう
寒い雪の中
雪の暖かさと君の暖かい手を感じて
雪降る夜に
END