銀魂

□心の内
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出張から帰ると、土方さんに会った。


落ち窪んだ目に、黒々としたクマ。


どうしたんですか、と聞くと「俺煙草止めるわ…」とらしくない言葉が返ってきた。



どうやら何の因果か禁煙を強いられる環境が続き、やってられないと地球を出たはいいが、そこでも煙草を吸うどころか煙草がない状況になり、諦めて帰ってきたらしい。



私が出張に行ってる間にそんなことになってたとは…


結局まだ煙草は吸えてないらしい。



その時ふと思った。


煙草がおおっぴらに吸える場所はあるじゃないか。


たいていの人にとっては憩いの場所、絶対の場所。


我が家。


土方さんの場合、自宅のような屯所が沖田さんによって禁煙にされたからこんな追い詰められることになってしまったのだ。


一般の人は家に帰れば何とかなるのが救いで、今まで過ごしてきたのだろう。


聞けば土方さんには、家に煙草を吸いに行けるような方はいないらしい。


これは…「私の家に来て下さい」と言ってもいいだろうか…



一般人の私と土方さんの出会いはテロ。


私の勤める貿易会社が攘夷志士に狙われ、人質になってしまった私を土方さんをはじめ、真選組の方々に助けてもらった。


精神的なショックを受けた私を土方さんは不器用ながら励ましてくれて…


この気持ちは一時のものじゃない、そう断言できる。

出会いはひょんだけど、私は土方さんが好き。


軽い気持ちで言うんじゃないからね。





「土方さん、よかったら家に来ません?灰皿お出ししますよ」





「え…?ホントか!?でも…」





「私なら構いません。土方さんさえよろしかったら」





だから


私の気持ちに
気付いて下さい


心の内


貴方を愛しているのです


土方さん









END

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