ゴースト◆トリック部屋

□ガリューウエーブinゴーストトリック
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「オレのだろ! いいかげんに、返せよ!」
「ヒャーッハッハッハァ!」

ダイアンはぼくに、“ぼく”じゃなく“オレ”という第一人称を言わせて
楽しんでいる…
ただ友達同士、じゃれあっている、
ぼくはその行為をそう思って、イヤではなかった。
むしろ、面白がって、つきあっていた。

「ガリュー。そろそろ、はっきりさせたいんだ。」
「なにを。」
「オレ達のカンケイさ。今日を、二人の記念日にしたい。」
「ダイアン……?」
「オマエが好きだ! 愛してる……!
オマエも、オレをいつも見ててくれるだろ。
いつもそばにいてくれるだろ。
これからは、ただそばにいるだけじゃなくて、
ちゃんと、恋人として、オレだけを見ててほしいんだ。」
「…………!」
「ガリュー! 待てよ、そんなカオ、するなよ!」
「は、離せ! 離してくれ!」
「オマエはオレにとって、特別なんだ! オマエも同じだって、信じてる!」
「うわあーっ!」

ガツッ!

「ガリュー……?」

「おい。大丈夫か……? ガリュー。ウ、ウソだろ?」



「う……ん。だれ?」
「気がついたか。私はシセル。」
「ぼくは。……あれ。だれだっけ。」
「そこのオトコが“ガリュー”と呼んでいるようだが。」
「ガリュー。そうだった。ぼくは、“ガリューウエーブ”のガリュー。
よろしく。」
「冷静だな。」
「ぼくの姿が見える。もしかして、死んだのかな。ぼくは。」
「冷静だな。」
「さっき、何か、びっくりするようなことがあった気がする。
それに比べたら、何だって驚かないな。」
「そんなにびっくりしたのか。死ぬことよりも、びっくりするようなこと、か。」
「うん。何だったか、思い出せないけど。
思い出すのが、怖いな……」
「この4分以内の出来事ならば、思い出すことになるが……
4分前に戻って、死の運命を変えてみるか?」
「死ぬのを、回避できるのか?」
「できるかもしれない。私の力を使えば。」


〜運命更新〜


「ダイアンが……。そんなふうに、考えていたなんて……。」
「ずいぶん、ショックなようだな。彼がキライなのか?」
「そうじゃないけど。ぼくには、恋人がいるから。」
「あ。さっきのニャンコ!」
「む。逃げ足の遅いレディ。」
「刑事クン。知り合いなの?」
「ちょっと。危ないところを、助けてもらって。」

「ナイショなんだけど、ぼくの恋人はね。
成歩堂っていう、年上のオトコさ。」
「…………!
そう、だったんですね……。」
「刑事クン。もしかして。……彼のことを……」
「わかってました。成歩堂さんが、あたしを、恋愛対象として見てないって……
あたし。女として認めてもらえてないのかな、って思ってたけど。
そうじゃなくて。あたしが女だから、最初から……
恋人候補から外れてたんですね。
はは。ショックなような、わかってスッキリしたような。」
「刑事クン。あの。……ごめんね。」
「そう、気を落とさず。
生きていれば、いいこともあるだろう。」
「いいわよ、そこまで慰めなくても!
べつに、恋人がいなくたって、死ぬほどのことじゃないんだし……。」
「刑事クン。きみは、充分、魅力的な女性さ。
すぐに、ステキな人が現れると思うよ。」
「はあ、ありがとうございます。
でも、ゲイの人に、そう言われても……」
「ぼくは、ゲイじゃなくて、バイだよ。」
「バイの人に成歩堂さんを取られたなんて……!」
「あ、でも、成歩堂はゲイだよ!」
「そこがいちばんの問題なのよね……」ガックリ
「どうも、人間の世界には、はかりしれない問題があるようだ。」



20100826
 

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