小説・茜部屋

□めんどくさい嗜好
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「ただいま。もどりましたぁ。」
「待ってたよ。茜ちゃん。」
「きゃっ。ちょっと待って。成歩堂さん。」
「ぼくは、こうやって服の上からさわるのが、いちばん好きだ……。ああ……。
やっぱり、背後からがサイコーだな……。」
グリグリ
「えっと。あたし、たった今、帰ったばかりなんですけど。
なんで、もう、そんなに……、なってるんですか?」
「キミが帰ったら、すぐに仲よくしたいと思って、待ち構えていたんだ。」
「でも、あの。着替えたいし、ちょっとぐらい待ってくださいよ。」
「着替えなんかしなくていいよ。今すぐ始めよう。」
「とにかく、外から帰ったんだから、うがい、手洗いだけは、いかせてください!」
「わかった。ぼく、ベッドで待ってるね。」



「よし。来たね。
じゃあ。白衣、脱いで。」
「(あ。コレ、もう始まってるのかな……)
すいません。ハンガーにかけさせてください。」
「うん。あ。もう脱がなくていいよ。
ていうか、つづきは、ぼくが脱がせたい。」
「(ドキッ)成歩堂さんが……。」
スルスル…
「もうちょっと、イヤがって。茜ちゃん。」
「ん……むずかしい……。
こっちがイヤがれるように、脱がしてくれませんか?」
「どんなふうにされたらイヤなの?」
「ええと。たとえば……。壁際に追いつめるとか、ですかね。」
「こう?」
「あ。ちょっと、こわいです。」
「……ごめんね。茜ちゃん。ごめん……!」
「きゃ……!
(成歩堂さん。急にノリノリに……!)」
「服はハンガーにかけとくほうがいい?」
「あ、はい。すみません。
(マメだなあ、成歩堂さん。
それに、この間もずっと勃ってるなんて、エライなあ。)」

「ああ……。ステキなかっこうだね。茜ちゃん……。
それじゃ、横になってくれる?」
「はい……。下着は、このまま……?」
「これから、取るよ。抵抗してね……。」
ゴソゴソ、プチ
「あん。」
「さあ。茜ちゃん。抵抗しないと、ブラジャー脱がされるよ。」
「……成歩堂さん。あたし……」
「ホラホラ。隠さないと、だいじなところが見えちゃうよ。いいの?」
「成歩堂さぁん!」
ガバッ!
「ワッ! 茜ちゃん!」
「おねがい……! 来て、早く……!」
「は、はなれて。茜ちゃん。……ああっ。」
「………………。
どうしました……? あ。」
「うう。しぼんだ。」
「さっきまで、あんなに元気だったのに?」
「ダメなんだよ、ぼく。
女の人から、積極的に来られると、もう。うけつけなくて……」
「そんなぁ! あたしだって、成歩堂さんに抱きつきたいのにぃ。」
「ごめんよ。それは、終わってからにしてくれるかい。」
「ええ? もう。わかりましたぁ……」
「ごめん。気を悪くしないでほしいんだけど……」
「むずかしいですけど。がんばります。」

「どうしよう、コレ。
ちょっと待っててくれる……。」
「………………。
成歩堂さん。
たとえば、あたしの口に、ムリヤリ入れるとか……。
そしたら、うまくいきそうですか?」
「…………!
ゴクリ。そう、だね。
キミが、イヤがってくれるなら、きっと……!」
「(それなら、できそう……)
わかりました。やってみます。」
「ちょっと、待ってて。
……………………。」
「(そっか。今のは、あたしが提案したから……。
成歩堂さん。気持ちを切り替えてるんですね。
“イヤがるあたしに、ムリヤリ入れるんだ”って、自分に言い聞かせて……)」

「……よし。茜ちゃん。くわえてもらうよ。」
グイッ
「んっ。」
「あんまり、なめなくていいよ。イヤそうに……。ああ。そう……。
ちょっと、かんでみて。」
「(え! だいじょうぶなのかな?)ん……」
「もっと、強く、かんでみて。
うっ! ああ……。」
「(スゴイ……かんだら、急に、こんなに……)」
「茜ちゃん。首を、横にふって。逃げるように。」
「(こう、かな)」
グイグイッ
「ああ。茜ちゃん。ハァ、ハァ。
イヤだよね。ごめんね。こんなコトさせて。」
「んっ、んん
(一回逃げただけで、成歩堂さん、こんなに元気に……!)」
「ハァハァ。ごめんね。イヤな目にあわせて。
こんなけがらわしいモノを、キミの、キレイなくちびるにくわえさせて……!
ごめん、ごめんね……!」
「(成歩堂さん。
“ごめんね”って言うたび、興奮が増してくる……。
スゴク伝わってくる……。
ホントに、抵抗されると興奮するんですね……!)」
「ハァ、ハァ。
キミのおかげで、こんなに……。
ごめんね。ツラかっただろう。
今から、もっと、ひどいコトをするよ。」
「(ああ。来て、早く……!)」
「茜ちゃん。抵抗して。この辺を、蹴ってくれないか。」
「蹴るなんて……。成歩堂さぁん!
あたし。イヤじゃないのに、抵抗するなんて、もうムリですぅ……!」
「茜ちゃん。おねがいだ。抵抗はつづけて。」
「あたし……あたし、できません。
さっきから成歩堂さんが興奮してるのが、伝わってきて……。
あたしもずっとドキドキしてたのに……!
どうして。
どうして、イヤじゃないのに、イヤがらなきゃいけないんですか……」
「な。泣かないで。茜ちゃん。」
「おねがいです……。入れてください……。
もう、待てない……。」
「で、でも。挿入なんて、ぼく……。
抵抗されなきゃ、とてもできないよ。」
「ひどい……。
ここまで、必死にがんばったのに……。」
「茜ちゃん。
……………………。」
ギュッ…!
「……!」
「キミのおかげで、ここまでこれた。
ぼくも、最後まであきらめたくない。
あと、ちょっとだから。
あとちょっと、協力してくれないか。」
「グスン。……蹴ったら。うまくいきますか……?」
「肩の辺りとか、胸の辺りをねらって、蹴ってくれる?」
ギュッ
「もっと蹴って。連続で蹴ってみて。」
ギュッ、ギュッ、ギュッ
「うう……ううううおおおおおおおお!!」
スルスルッ、パサ
「きゃああああっ……!」





「茜ちゃん。キミのおかげで、最後までいけたよ。
本当に、ありがとう。」
「お礼なんて……」
「それでね。あの。茜ちゃん。キミは……。
ぼくを、どう思う? つまり……、これからのコトなんだけど……」
「わ。わかりません……。
成歩堂さんのコトは、好きです。
でも、正直、ついていくのは、かなり大変な気が……」
「うん。やっぱり、キミだけに迷惑をかけるわけには……」
「ほかの女の人には、やめてください! 犯罪ですよ!」
「う。でも、じゃあ、ぼくはどうすれば……」
「なんとか、ならないんですか。成歩堂さんの、それは。」
「そう言われても……。
なにに興奮するかは、リクツじゃないんだよ。」
「とにかく! ほかの女の人を襲うのは、ゼッタイに! ダメです!
しばらくは、なんとか……、あたし。がんばってみますから……」
「! 茜ちゃん!」
ガバッ!
「きゃっ! あ……。抵抗したほうが……いいですか……?」
「いや……。今は、このままで……。
ありがとう。茜ちゃん。うれしいよ。」
「ああ……。そんなに、泣かないで。成歩堂さん。」

(つづく)
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