小説・成響部屋

□Invitation
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成歩堂が望んでいるのならば、自分がほんの少し我慢すれば……、と思わないではない。
が、そのほんの少しの我慢が曲者なのだ。
その痛手を、どうやって解消するというのか。こんなこと、誰に相談するわけにもいかないのに。

体を許したところで、成歩堂の態度が好意的に変わるなどとは、到底思えない。
そんな現状にもかかわらず、勢いに流されるなど愚の骨頂だ。
後になって、自分はこの身を犠牲にしたのに、と恨みに思ってしまうのではないか。
しかし、それは逆恨みというものだ。断らない以上は自業自得で、相手を恨んではならない。
だから、自分が望んでいない以上、断固拒まなければならないのだ。

それが、たとえ自分の好きな相手の要求であっても――

成歩堂を嫌いになってしまう――そんな事態だけは避けたい。
それだけは、どうしても――



…(中略)
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