物語


□空虚な思い
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今でも思い出すのは鮮明に思い描ける綺麗な微笑み

ガラス越しに見つめる瞳に己の顔がきっちりと映るのが嬉しくて
滅多に使わない頬の筋肉を精一杯動かす

さらりと風になびく髪に触れたくて
でもこの絶対的な身長差には敵わずいつも見つめるだけで

しゃがんで抱きしめてくれたときにはそっと抱きしめ返して
その柔らかな髪を指に絡める


その物腰からは想像できず圧倒される力強さにも心の広さにも豊富な知識にも尊敬という念を持っていた

憧れそんな感情を幼馴染の様に

なによりも同じ相手に持つとは思わなくて
認められない己がいた


全てが懐かしき思い出


あの頃はもう戻ってはこず


儚きそして尊き思い出となって蝕んでいく
手を伸ばして掴めるものは何もない

見えるのは消えかける大きな背中だけ


もし引き止める言葉を持っていたら世界は変わっていたのだろうか


愛したのは偽者で嘘か幻か現実との混濁か




―空虚な想い―




それでも俺はお前を
  ア イ シ テ ル






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狂愛ってなんだろう?
その定義を差し計る為のテストだったり。

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