聖なる書物
□キミと俺と…
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-神田Side-
俺は任務から帰って、自分の部屋に帰ろうとしていた。
疲れていたし、早く休みたい。
な・の・に!!!
あのモヤシが俺の部屋の前でなにやらゴソゴソしている。
うぜーことこの上ない。
「おい!モヤシ!テメー人の部屋の前で何してやがんだ!」
俺がそう怒鳴っても、ヤツは悪びれるふうでもなく、
「あ、神田帰って来たんですね。…ッチ」
…最後の"ッチ"は、俺にケンカ売ってんのか?
「んなこと聞いてんじゃねーんだよ!なんでテメーがここに居るのかを聞いたんだ!」
「いえちょっと、…神田の弱点ないかなーと…」
モヤシはにっこりと胡散臭せー笑いを浮かべながら、膝に付いた埃を払っている。
俺の弱点だと?
「でも神田って、部屋になんにも置いてないんですね。いじっててつまんなかったですよ」
明らかに落胆して言われると、イライラも増してくる。
「別にいいだろーが!俺が部屋に物を置こうが置かまいが!テメーにゃカンケーねぇだろ!!というか、人の部屋をいじるんじゃねぇ!」
不法侵入だろーが!と怒鳴れば、
気付かれなきゃいいんですよ
と返ってきた。
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