聖なる書物
□sad rain
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「神田くん…、━が…━━━」
━━うそだ…━━
今日は強い雨が横殴りに降っている
雷も鳴っていて、どんより嫌な天気だ
「………」
俺は、任務が終わりヘブラスカにイノセンスを届けた後、一息吐き自室に戻ろうとしていた
正直今回の任務はきつかった
俺一人では処理しきれないくらいだった
まぁ、他のヤツがいたって邪魔なだけだけどな
ザワザワ━
…なんだか今日は妙に騒がしいな?
「ウソだろ!?…まさかアイツが…」
「あぁ…、死ぬなんてな…」
すれ違ったファインダーが、焦ったような顔をして話している
その言葉でなんとなく察しがついた
大方、どっかのバカがヘマして死んだんだろう
ここではよくあることだ
俺には関係ない
━ガチャ━
「神田っ!!」
やっと部屋についたと思ったら、後ろからリナリーの切迫つまった声がした
ッチ…なんだよ、と思いつつ振り返り、思わず息を呑んだ
声と同様、切迫つまった表情
歪められた目元は、今にも泣き出しそうだった
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