過去の女神と未来の天使〈胎動〉

□第陸話 初戦
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「ミーナだと!?」


美緒は思わず叫んだ。


「知り合いか?」
「ああ、私の仲間だ。仲間というより最早家族だな」
「そうか、彼女は同じく異世界からやって来たと言っていたな」








「私も不慣れだけど前の世界で似たようなものに乗ってたから変な失敗は無いわ」
「私も」


ミーナは武器リストからライフルを取り出し、直ぐに構えた。
お互いに頷き、用意ができたことを確認した。


「綾波レイ、行きます!」
「さあ、来なさい!」


レイはミーナとの距離を詰め、ブレードを振り上げた。振り下ろす直前にミーナが消えた。
しかしレイは狼狽(うろた)えない。
一気に空へ高度を引き上げ、ミーナの銃撃から回避した。


「初めてなのに上手いわね」
「…………」


レイはミーナの褒め言葉を無視してその隙にミーナに急接近した。ミーナの前にシールドバリアーが現れ、ブレードを受け止めた。


「隙だらけよ!」
「!」


レイはミーナから離れたが銃弾が何発かシールドに当たった。
互いにシールドエネルギーを減らされた。


「中々やるわね」
「貴方こそ」


そして再びブレードとライフルがぶつかり合う。
ミーナはブレードを受
け止めたライフルで押し返し、その勢いで銃口をレイに向け引き金を引く。
防御体勢を構えレイは辛うじて銃弾の雨から逃れた。
しかし、ミーナは止まらず更に追撃を仕掛けていく。




二人はISを動かしたことは無いが徹底的な違いがある。
ミーナは長年戦闘訓練を受けた軍人であり、レイはまだエヴァに乗って二、三年程度かそれ以下だ。


二人の経験の差は圧倒的だ。


レイは劣勢ながらも焦りを見せない。ブレードを縦横無尽に振り、銃弾を弾きながら突っ込んだ。






「…………」
「…………」


二人ははぁと息を吐いた。
二人の前に出てるウィンドウを互いに見る。


『ENERGY:0』
『ENERGY:0』
「引き分けね」
「ええ」


レイのブレードはミーナの右肩の装甲を、ミーナのライフルはレイの左肩の装甲を突いていた。
しかも、両者同時だ。
二人は地面に降り、ISから降りた。


「いい勝負だったわ」
「…………」


レイはミーナと握手した。微かにレイは笑った。






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