赤いリボン

□彼女の話
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その日、俺は憧れの彼女の口から、男の話が出てきたのを聞いてしまった。


















「ねぇ、花。赤い髪と眼をした男の人って見た事ある?」



休み時間。

俺は彼女の話に耳を傾けていた。
それは盗み聞き、と世間的には言うかもしれないが、俺は彼女とその親友が近くの席で話していたのを、たまたま聞いてしまっただけだ。
そう、偶然。



「赤い髪と目?
そんな派手な人見た事ないわよ。その人がどうかしたの?」



彼女の親友は、その外見を想像して眉を寄せた。不良のイメージが簡単に浮かぶ。

俺もその親友に同意見だ。もしや何かされたのだろうか。
だったら許せない。



「あ、悪い人じゃないよ!
あのね…。」



彼女はその様子を見て、慌てて事情を説明しだした。
俺はとりあえず彼女に害がなかったことにほっとする。

彼女は前日の出来事を回想しはじめた。













ど、どうしよう。



彼女、笹川京子は現在進行形でピンチに陥っていた。

目の前には数人の不良。
三人とも、ニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべている。

「なぁ、お嬢さん。
今から一緒に遊びに行こうぜぇ。」




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