*現実にも及ぶアリスの悪夢
□現実にも及ぶアリスの悪夢
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アリスは不快な物音で目が覚めた。
昼間、野原であんな恐ろしい夢を見たにも関わらず、ぐっすりと寝ていた彼女だったが、
先程から聴こえる雑音に目を覚まさずにはいられなかった。
アリスはケットの中から怒鳴った。
「あたしが気分良く寝るのを邪魔するなんて!
今に見てなさい・・・
これ以上うるさくなったら、
けちょんけちょんのボコンボコンにしてやるんだから!!」
アリスの黄色い声は、部屋の隅々にまで響き渡った。
ところが、物音は止むどころか酷くなっていくばかり。
アリスはケットを蹴り飛ばすと、辺りを見回した。
犯人を見つけたら、拳を一発喰らわせてやろうと思ったのだ。
しかし、そこで彼女は凍りついた。
彼女の目に映ったのは、昼間の夢の中で彼女の首を刎ねようとした
トランプの兵隊達だったのだ。
あの騒々しい物音は、どうやら彼らがこの部屋の窓を
開けようとしていた音だったらしい。
月明かりで照らし出された彼らの顔は
不気味なまでに青白く冷酷で、
泣くような子でないアリスですら言葉を忘れるほどだった。
そして彼女は、蹴飛ばしたケットをもう一度かけ直すと目を瞑った。
「何だ。私はまだ夢の中にいるんだわ・・・。
早く起きないと。」
アリスは自分の頬を思いっきりつねった。
激痛が頬に走る。
夢の中なら痛みは感じないはず・・・という事は、
「これは・・・現実・・・・・・・?」