★オリジナル小説★
□ひまわり
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人混みに疲れて来た為、誠はまろんを脇に抱えて祭りの通りから外れ、広い公園の中にある小高い丘の上に来ていた。夜の散歩でよく来る場所だ。木の下のベンチに座り一息つく。
「…美味いか?」
『ふわふわです…!まろん雲食べたよってキヨちゃんと忍ちゃんに自慢するよ』
大きなワタアメに、はむっと食らいつく。自分の顔より大きなワタアメと格闘中だ。口の周りをベタベタにしながらも美味しそうに食べている。
見上げれば空には満面の星空に天の川が掛かっていた。こんな風に空を見上げたのは久しぶりで、吸い込まれそうな空に見とれていた。
『誠ちゃん?』
「…ん…どうした」
『お星様綺麗だね〜』
いつの間にか、ワタアメの棒だけを握りしめているまろんが不思議そうに誠を見つめていた。
「あぁ、そうだな」
『こーゆー時は、星なんかよりおまえの方が何千倍も綺麗だぜ?ってゆうんだよ?』
「…………。」
どこで覚えて来たんだ…と眉間にしわ寄せ盛大なため息をつく。