★オリジナル小説★
□ひまわり
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『…ふんわり雲から…光優しい声…♪』
一人背もたれに凭れて歌いながら誠の帰りを待つ。誠は店員と何か会話をして店内を案内されていた。
『太陽から〜…贈り物♪♪…眩しい日差しあーびたらっ…』
「プレゼントにしたいんだ」
小さく呟くと、店員が笑顔で頷く。あの時忍を接客したあの男だった。彼は今目の前にいる男が、まろんの新しい飼い主だと言うことを知らない。
「どんな子なんですか〜?こんな可愛いモン買って貰っちゃって幸せだね〜」
ニヤニヤ笑いながらも、ソレを可愛く包みピンクのリボンまで巻いてくれた。
「………雄なんだが…まぁいいか…。アホチワワだ。」
ラッピングされたソレを胸ポケットに押し込むと誠は店内を後にし、車に戻る。
キーロック解除の音でピクリと顔を上げると誠の姿を見つけて満面の笑みを浮かべる
『お帰りなさい!まろんいい子にしてたよ〜』
「あぁ偉かったな」
適当に相づちを打ちながらシートベルトを締めると車を発進させる。
『なに買ったの?』
「おまえのオムツだ」
『!!まろんお漏らししてないよ〜!』
2人で笑いながらドライブを楽しんでいた。空がオレンジになりかけた頃、町には色々な露天と賑わう人々にまろんは尻尾を振っていた。