★オリジナル小説★
□ひまわり
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運転席に座りシートベルトを締めると、ハンドルと誠の間によいしょ、とまろんが入ろうとして怒られる。
「あぶねぇだろうがι邪魔だしお前の席はそっちだろうが!」
襟元を掴んで隣に座らせれば、渋々ながらシートベルトを締める。唇を尖らせ不満気だ。梅雨も明け、暑くなり始めた時期でもあるのに、まろんは前以上に密着してくるようになった。
『出発しんこう〜♪誠ちゃんのまろん号はとっても早いよね。』
窓から走りすぎる景色を眺めながら誠を振り返る。
しばらく走った後ゆっくりと車が止まったのでガラス越しに表を覗き込む
『あれ〜元まろんのおうちだよ?』
そこは初めて忍と出会ったペットショップだった。久々の場所にパタパタと尻尾を振る。
「ちょっと待ってろよ。すぐ戻るから」
>『まろんはお留守番なの〜?』
「ちょっと買い物が有るだけなんだ。待ってろ」
パタンとドアが閉まれば外から鍵が掛かり、ブーと不満げに頬を膨らまし唇を尖らせて椅子にもたれ掛かる。
『みんなに会いたかったなぁ………』