★オリジナル小説★
□ひまわり
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『なんだか今日は人がいっぱいだね!…何かあるのかなぁ』
窓ガラスにペタリとくっ付けば、それをみた通行人がギョッとした後クスクスと笑い出した
「…よせ…ι窓が汚れる」
グイと首元を引っ張り窓から引き剥がすと何か思いついたように、あぁ…声を上げる
『どしたの?』
「祭りだ。今日は七夕だろ?」
『…たなぼた?みんなでおはぎを食べる日ですか?』
「………」
はぁ…とため息を付くも、織り姫と彦星の話なんて、こっぱずかしくてする気にもなれない。
「行ってみるか…?」
『…うん!』
誠の意外な一言に驚くも素直に頷けば、誠も小さく笑い近くのパーキングに車を止める。
『ΣΣギャッ』
パタンと勢いよくドアを閉めるとまろんの悲鳴(?)が反対側から聞こえ慌ててそちらに向かう
「…どうした……またやったのか」
『…なんでいつもこのドアはまろんの指を挟むの??』
しゃがんだまま涙を浮かべながら誠を見上げれば、腰に手を当てて呆れたようにまろんを見下ろしている。
「閉めるときに手を押いてるからだアホチワワ。行くぞ」
ヒョイと軽く抱き上げて、押さえていた小さな人差し指をチュッと口に含んでやれば、まろんはやや頬を染めて笑みを浮かべた。