★オリジナル小説★

□happy☆smile
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恋の季節
それは突然やってくる。

ここ、菱谷家にも恋の季節がやってきた。




「……ん?」



1日の仕事を終え自宅に帰ってきた誠は、自室に入るなり足の下に何か柔らかい物を感じて眉を寄せる。部屋の電気を着けてみるとそれはセピアだった。
(セピアとは初めて誠に貰ったぬいぐるみの名前)


「…なんで床にコイツが居るんだ…」


不思議そうにセピアをつまみ上げ部屋を見直せばあちこちにぬいぐるみが散乱している。他にもおもちゃの哺乳類や、おくるみに包まれたセピア2号、おしめをはめられた3号達が落ちている。


「アホチワワ今度はままごと始めやがったな…」


ふぅとため息を着いて、セピアを持ったまま持ち主を探すためにリビングへ向かった。




「おかえりなさい…」

夕食の支度を始めていたキヨハルがお玉を持ったまま振り向き笑みを浮かべる。

「お〜お帰り〜」


今日は休みらしくソファーに座っていた忍がヒラヒラと手を振り、苦笑して自分の足を指差す。


「あー…誠が探してるのは…多分ここに居るよ」

「………」


…指差す方を覗き込めば、おんぶ紐でセピアを背負ったまま忍の足にしがみついているまろんが居た。


「今日はずっとこのまんまだよ…ι誠が居なくて寂しかったんじゃないの?」

「俺が日中留守なのは今始まった事じゃねぇだろ……」


忍の足にしがみついたまま、ちゅくちゅくと自分の親指を吸っているまろんの頭をつつけば、ん?と顔を上げる。
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