年上彼氏との恋物語【完結】

□第五話
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晃サンがカウンターから離れてから暫らく経った


店の中も客で一杯になり、周りを見回しても席の空きはナイ



それでも客足は途絶える事なく、仁や他の従業員が 新たに来た客に断りを入れて四苦八苦してるみたい




断りを入れている間も仕事は待ってくれない



カクテルを作ったり、ボトルやアイスにグラスの用意、そこに接客




客を喜ばせながら、体は全然違う事をしている

冷静に見て凄いと思った



1対1なら自分でも出来ると思うけど、今このカウンターだけでも10席はある。


そこに加えテーブル席の分の仕事もこなすんだからハンパない






「衣都チャン??どうしたの?」


仁の声でハッとした



「どうしたの?まだ落ち込んでる?」



仁が機嫌を伺うように聞いてきた


「違う、違う!仁の働きぶり見て凄いなァって思って‥思わず見入っちゃった」



「俺の?? クスッ
見惚れちゃったんだ」



妖笑を浮かべながら言った仁の台詞に、思わず口にしてた お酒を吹き出しそうになった



「グッ   ゲホッ
あのねェ!!変な事言うから吹き出しそうになっちゃったじゃん!
あぁ ビックリした



「変な事?だって本当の事じゃん!俺に見惚れてたって」



「違う!見入ったと見惚れたは格が違うの!!!」



思わず声が大きくなる


「何もそこまで拒否んなくたってイイじゃん!
俺だって傷付くし‥」



ショゲた顔をした仁を見て「しまった」と思い、そうじゃナイんだと言い訳を探す



「あ、あの‥そういう意味じゃなくて」



「嘘だよ〜っ☆衣都チャンの焦ってる顔 凄ェ可愛いv」



「えっ?嘘? あ‥冗談だったんね!?ビックリしたぁ」



あんなに拒否った衣都チャンが悪いの!って言いながら仁はタバコに火を着けた



その姿が妙に大人っぽくて、いつも調子の良い仁とは別人に見えた



「ん?どうしたの?また俺に見入っちゃった?」


意地悪な顔して私の顔を覗きこんだ



「んもぉ!意地悪!!」



仁なんか知らない!!





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