年下彼氏の恋物語
□第十四話
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それからママは自分のボトルを出してきて
「好きなだけ飲みなさい」
そう言って他の客の相手を始めた
隣で俺の為に酒を作ってくれる望サン
その仕草が妙に色っぽい
ドキドキと心臓が早打ちして
俺から冷静さを奪っていく
「はい、どうぞ」
微笑みを浮かべながらグラスを渡された
「あ、どうも」
渡されたグラスに口を付けた
「Σ!? ぶっ!!!
の、望サン!これ何!?」
思わず吹き出して濡れた口元を拭いながら聞いた
「え?何ってブランデーだけど…」
俺の質問の意図が分からないのか小さな声で答える望サン
「あ…あの凄く薄くね?」
「え?」
「ミーロンかと思った
」
「ミーロン?」
首を傾げて俺の顔を見る望サンの顔は不思議そう
「そう。ミーロン」
「ミーロンて何?」
あれ? ミーロンてメジャーじゃねぇの?
「ミーロンは烏龍茶を水で割った名前なんだけどさ…」
「へぇ…知らなかった」
ミーロン、ミーロンて何回か呟きだした望サン
「と、とにかく薄いからさ
これは望サン用ね?」
俺は「響クンのは?」って聞かれる前に
勝手にグラスに氷と酒を入れた
「俺はコレね?」
烏龍茶色に染まったグラスを持ち上げた
「じゃ乾杯しよ」
チン☆とグラスの重なる音に互いに酒を喉に流し込む
「‥」
ゴクゴクと喉を鳴らし飲み込む俺に対し
望サンは軽く口を付けただけで俺の顔を覗き込む
ん?
「望サン?‥どうしたの?」
望サンの行動が分からなくて首を傾げたら
「響クンの美味しそうだよね‥少し飲ませてくれる?」
大きな目
そして可愛く首を傾げて言われたら、俺に逆らう気持ちなんか生まれない!!
「はいv」
思わずニッコリと自分でも分かる位に満面の笑み
グラスを渡し、俺のグラスに口を付けた望サン
か、間接キスだ――!
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ドキドキドキドキ
直接、唇と唇を重ねた事があるのに
それなのに嬉しくて
早打ちする心臓が俺の顔を赤くさせるのが分かる
店の中が暗くて良かった
俺のグラスに入る酒を少しだけ口に含んだ望サンの唇に思考が集中する中
眉間に皺を寄せ、すぐに自分のグラスに口を付けた
どういう事?
、