年下彼氏の恋物語
□第十四話
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周りを見れば、まだまだ飲む態勢でいる
仕方ない…
大きな溜息を一つ零し
一平の身体に腕を回した
「あれ?響、帰んのか?」
「一平がコレだから」
スヤスヤと寝息を立てる一平を背負った
「またかよ…」
あまり酒に強くない一平
飲めば毎回の様に寝る始末
誰かの家で飲むなら、そのまま寝かせるけどココは店
寝かせておく訳にはいかない
一平の財布と携帯を持つ
「んじゃ、先に帰るな」
金を渡し、店を出た
通りに出れば、酔っ払いが沢山目に入る
いいよなぁ…
俺も、もっと飲んでたかった
てか重いし!!
力の抜けた身体は、ヤケに重い
ハァ…
まだ10時前
夜はコレからだ!って時に男を背負い、しかも家まで送り届ける俺って可哀相じゃね?
少し自棄になりながらタクシーを探す
だが、こういう時に限って通らない
もしくは通っても‘回送’の表示
マジかよ![](/img/emoji/6Q.gif)
どうしようかと途方に暮れていたら、何処からか聞き慣れた声が流れてきた
「気を付けてね〜☆」
望サンの声だ!!
周りをキョロキョロすれば少し離れた所に
笑顔で親父に手を振る望サンの姿があった
「望サン!!!」
背負う一平を気にせず走り寄った
「響クン!?」
こんな所で俺に逢うなんて思ってなかったからなのか
大きな目を更に開いた
「ど、どうしたの?」
俺が望サンの店を探していたと思ったのか少しキョドってる
「この先の居酒屋で飲んでたんだけど、一平はあんまり酒に強くないから寝込んじゃって…
店だから、いつまでも寝かせておく訳には行かないし
家まで送り届けるつもりで居たんだけどタクシーは捉まらないし…
んで、途方に暮れていたら望サンの声が聞こえたんだ」
誤解されたくないから
余計な事まで言う俺は言い訳してるみたいだ
「そうなんだ…この子、この前の
えと、名前なんだっけ?」
「一平」
「あ、そうそう!!
響クンと正反対の顔した一平クンだ」
きっとあの時の事を言ってるんだ
俺が誤解して望サンを大通りで抱き締めた事を…
、