ヨロズ小説置き場

□★優しすぎる貴方(TOS)
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「プレセア、気分が優れないのか?」
リーガルさんが私のことを心配してくれている。
貴方は私にとても優しい…





でも…私は知っている。

リーガルさんが私に優しいのは、私がアリシアの姉妹だから…
私がアリシアに似ているから…なんですよね?


私に申し訳ない気持ちで…償いきれない罪を償おうとしてくれる…

でも、私は貴方に…優しくされたくなかった。


「私は大丈夫です。私に…構わないで下さい。」
優しくされたら、許してしまいそうになるから…
彼を突き放すような言い方をする。


「プレセア…?」
「私は一人で…大丈夫、です…その優しさはアリシアのモノ………だから、私にする必要なんてないです…。」
私にまで優しくしないで…胸が締めつけられたみたいに苦しくなる、から…


リーガルさんは悲しそうな顔をしていた。

別にそんな顔させるために言ったのではないのに…

そう思うと胸がチクッと痛んだ…



「…プレセア、私が憎いか?」
「え…?」
「今でも…アリシアを殺した私を…殺したいと思っているか…?」
いきなり問われた言葉…
私は別にそんなことを貴方に言わせるのを望んでた訳じゃない…
「私は――…」






《お姉ちゃん…》
不意にアリシアの言葉を思い出した。
《リーガル様を怨まないで…》
あの子は最後まで…リーガルさんのことを…想ってた…


「…リーガルさんを許すことが…アリシアの最後の願いでしたから。」
「……」
「リーガルさんはアリシアの大切な人…でした。」
「だが、私は…」
「謝らないでくださいっ!私からアリシアを奪ったのに…貴方はアリシアを…殺した、のに……っ」
私には目の前にいるあの子の仇を討つこと叶わない………最愛の…たった1人の私の妹の最後の願い…だったから…
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