無双
□おかえり、ただいま
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「ほら、幸村からの言葉は?」
「わ、私は!!」
「素直になってはどうなんです?幸村殿」
「素直になることなんて…!」
「今ここで言ってもいいんですよ?貴方の弱味なら何個も握ってますから」
本当に主従関係なのか?と思わせる発言ばかり。
六郎なんて弱味を握ってるというところからして、幸村を主と思っているのかも危うい。
流石に幸村も弱味を言われるのは恥ずかしく、赤くなった顔を隠すように前に出てきた。
「ま、俺らからすれば、お前に帰ってきて欲しいのよ」
「俺らの仕事が増えた」
「苦労も増えましたし」
「貴女が居ないとダメな殿なんですよ」
「Σ六郎!!//」
六郎は満面笑みで「何か?」と言って、さらりとかわす。
忍にこれほど言われる主は幸村様しか居ないだろう、とくのいちは思った。
「じゃ、俺ら帰るからごゆっくりどうぞ♪」
「自分の気持ちに素直になりな」
「頑張ってください」
「気持ちを落ち着かせて」
上から佐助、才蔵、小助、六郎の順で幸村に励まし(?)の言葉を送って、何処かに去っていった。
残されたのは赤面の幸村と、唖然としたくのいちだった。
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