無双
□わすれないよ―上ノ巻―
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戦は終わった……
あたしは自由を手に入れても………
この世には…もう……
あたしの居場所なんて無い
「バカみたい……」
『わすれないよ』
「幸村様ぁ〜」
くのいちの前を歩いていた幸村に、勢いをつけて幸村に飛び付いた。
「な、なんだ?!」
気配も無く抱きついてきたくのいちに、幸村は驚きが全体に出ていた。
「くのいち、離してくれ」
「幸村様ったら連れないにゃ〜」
「苦しい」
「ちぇ〜」
頬を少し膨らまし、渋々幸村の首から腕を離した。
それは、明らかにつまらなそうな顔だったそうだ。
そのくのいちの顔に、幸村は軽く眉間に皺を寄せたのであった。
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