無双
□約束
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「チビちゃん慌ててるよ?」
「わしはチビではない!!ちゃんと牛乳を毎朝二本飲んでいる!!!」
「それにしてもちっちゃいね〜♪」
「貴様も小さかろう!!!」
「アンタよりは小さくないもん!!!」
そこから始まる醜い言い争い。
その声は廊下まで聞こえ、行きゆく武士が驚いて床の間を一度は見る。
廊下では、茶を持ってきた小姓が入りたくても入れない状況に置かれていた。
部屋では、もう少しでケンカが終わろうとしていた。
「もう!アタシ知らないから!!」
「待て!!」
去ろうとした途端、政宗に腕を掴まれて政宗を見やる。
「まだなんか用ですかぁ?」
「本当はな…」
「ん?」
「お、お……お前に会いに来たんだ!!!」
「へ?」
いきなりの政宗の言葉に、間抜けな声で返してしまった。
政宗に目をやると、うつむいていても耳が真っ赤なのがわかる。
それを見たら自分の顔まで熱ってきた。
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