無双
□桜の木の下で…
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風か吹くまだ寒い時期に、一人の少女は外にある一本の木を見ていた。
此処は孫堅が治める呉の国…
その孫堅の娘、尚香が庭に出て、ジッと木を見てた。
「毎日見てるんですから、いい加減咲いたらどうなの?」
ついには木に文句を言い出した。
そう言っても、木は簡単にはその要望に答えられないに決まってる。
「そう毎日見てると言っても、簡単には咲きませんよι」
「陸遜!?」
陸遜と呼ばれた少年は、尚香の肩に毛布を掛ける。尚香は嬉しいそうに「ありがと」と言った。
「何故毎日この木を見てるんですか?」
尚香の行動には、周りの人にも不思議に思う…
それには、最後にいつも木に話かけ、昨日は怒って帰ったι
彼女を慕ってる陸遜だって気になるに決まってる。
尚香は「だって…」と 言い、言葉が詰まる。
陸遜はどうしても話して貰いたい気持ちがある。
だけど今の尚香は話してくれそうにも無い…
陸遜は最終手段を使った。
「私に…話せない事なのですか…?」
寂しそうな声で、捨て犬みたいな顔で、尚香の顔を覗き込む。