無双

□好きの表し方
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日が沈み、これから私は書物の整理をするため机につく。


山積みになった書物を目にすると、今日は徹夜か…と考えた。



トントン



こんな時間に誰だろう、と思いながら返事をする。



「どうぞ」



戸がゆっくり開く音が聞こえる。


視線は戸に移さず、書物に向けたままでいた。


どうせ相手は持女か甘寧殿あたりだろうと思ったが、次の声でその考えが無にされる。



「陸遜。お邪魔してもいいかしら…?」


「Σしょ、尚香様?!!」



突然の訪問に驚き、書物から目線を放し、それに声までも裏返った。


その驚きに、尚香様も驚いて目が少し丸くなっている。



「い、忙しかったかしら?;;」


「! いえ!!忙しくありませんが、こんな時間にどうしましたか?」



慌てた顔をもとに戻し、いつも通りの笑みを見せる。


誰でも好きな人がこの時間に訪れたら驚くであろう。


この城には何人もの武将が居る。その中で、自分の部屋に訪れてくれたことにはとても嬉しい。



「一人で居てもつまらなかったから遊びに来たの。陸遜が忙しかったら甘寧の所に行こうと考えてたのよ」


「そうですか。甘寧殿は今は忙しいと聞きましたよ。私は忙しくありませんから、ゆっくりしていってください」


「よかった!じゃ、お邪魔するわね」



強調したけれどあまり気付いてもらえなかったけれど、甘寧殿の部屋に行くのは阻止できた。


自分は独占欲が強いなと思っても表には出さず、お茶を入れる。


仕事なんて今の私にはどうでもいい存在になっていた。



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