そうだ。僕は人だった。
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地球は、広い。
知っていたよ。確かめたことはなかったけれど。
この世界を、余すところなく知りたいと思う。
全ての言葉を。
全ての価値を。
全ての意味を。
全ての歴史を。
全ての想いを。
光だとか、闇だとか。
名前をつけたのは人なのだ。
分類と秩序を求めたのは。
認めなかったのは。
争ったのは。
人でなければ、何だった、と。
全てはただ、ありてあるのみ。
その思考さえ、人の視線だ。
それも、ひどく限定された区域の。
そうして、人は人の中で生きていく、と。
刷り込んだのは、誰。
世界は、狭くなった。
何度も聞いたよ。実感は何一つないけれど。
それでもやっぱり、地球は広くて。
漠然と、わきおこる。
祈りのような切望。