Junk
□散文・暗
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電話
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短縮ボタンを押せば
ききなれたあの人の声
いつものように叱られて
涙が止まらない
おちゃらけた私を装って
笑顔だけを向こうに届ける
気づかないで お願いだから
ワガママな私に
元気かと聞かれて
元気よと笑うのは
気遣ってるからじゃない
しんみりしたくないだけ
やるべきことをやりなさい
言われた瞬間気づくのは
かえりたいと思う自分
普通の声を、忘れてしまった
電話を切ってようやく
今日の理由に納得した
さびしかっただけだった