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□冬の空
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空を見上げる
高い高いどこまでも続く空は
今日はない
ただ
暗い
雨が降りそう

冬の空は近く感じるけれど
凍て付く寒さがそれは違うと否定し
暗い雲がそうだと肯定する
結局はわからない
ただ漠然と
"遠い"

冬の空は残酷だ
うれしい時は暖かく感じ
寂しい時は冷たく感じ
冬の空は残酷だ
すぐに夜がやって来て
闇を早くに目覚めさせて

ねぇ笑って?笑って下さい
手を掲げ指の間から
零れる光が見たいから
だから
微笑んで下さい
眩しいくらいの笑顔で
私に笑ってやって下さい

手を掲げてみる
ほんの少し
光が漏れた
嬉しくなって歩き始める
腕を大きく振り
明日に向かって歩き始める
明日はきっと晴れるといい
明日はきっと笑うといい

そう


小さな期待を胸に抱きながら





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